山梨学院大学 スポーツ科学部

【地域連携】大庭先生が監修した甲府市の歌体操が公開されました

大庭先生が、甲府市民にお馴染みの「甲府市の歌」に振付をしました。

「甲府市の歌体操」として、甲府市のウェブサイトにて公開されました。

詳細は、こちらをご覧ください。

大庭先生のコメント

 「甲府市の歌」は、今や17時のチャイムでおなじみですが、1966(昭和41)年に選定・発表され、2019(令和元)年10月17日から17時のチャイムとして使われるようになったそうです。市民の皆様が聞きなれたチャイムを使って気軽にできる健康体操を作る事業を計画していることは、2024(令和6)年4月の着任直後に健康政策課からお聞きしていましたが、その後、小山勝弘学部長のご指導・ご支援をいただきながら私が体操の動きづくりを担当することが11月に決まりました。

苦労したこと、エピソード

 当初の計画から体操の実施者の目的に合わせて、①子どもから大人まで万人向けの基本編の他に、②ストレッチ編、③負荷高めのもの、④介護予防を目的としたもの、⑤座位でできるもの等、複数のバーションを作ることが決まっておりましたので、体操の動きのレパートリーを増やすことに苦労し、動画やパンフレットのモデルを担当している学生2名にも動きの提案に協力していただきました。

 個人的な話ですが、前職は共通教育センター所属で、卒研生を担当していませんでしたので、入職初年度に4年生(人生初めての卒研生)の卒業研究の大詰めの時期に研究指導しながら、体操の動きを作ったりモデルの学生とリハーサルの時間を設けたりすることが大変だったように思います。1月23日に動画やパンフレット用の撮影をしていただきホッとしたのも束の間、後撮りした動きの説明やキューイングの音声のタイミング、字幕の表現やタイミングの調整、パンフレットの校正も冬期集中授業のスキー実習と時期が重なっていたため、校了まで慌ただしく時間が過ぎていきました。しかしながら、本格的な撮影スタジオでの体操の動画撮影は初めての経験でしたので、全てのことが非常に勉強になりました。

 個人的な話の2点目です。2024年から山梨県民になりましたが、1月23日の撮影時に初めてヴァンフォーレ甲府のヴァン君と甲府のゆるキャラとりもっちゃんに間近でお目にかかりました。このようなチャンスはめったにありませんので、一緒に写真撮影してもらえば良かったと後悔しています。

それぞれの体操に込めた思い

 基本編については、まず準備運動をして使えるように1番から3番にかけて徐々に運動強度が上がるようにしています。また、子どもが楽しんで体を動かせるように、スキップやケンケン、現代的なリズムのダンスに繋がるようなターンを入れたり、曲の間奏にお友達とじゃんけんするような場面を作りました。

 ストレッチ編については、歌の1番は基本編と共通するストレッチからはじめ、運動不足や長時間の座位姿勢で固まってくる首・肩関節周りと腰部・股関節回りを中心に構成し、リズミカルな運動からに静的な動きへと変わりますので、疲れた時や緊張をほぐしたいときなどに試していただきたいです。

 筋力アップ編については、自重でできるレジスタンス運動のレパートリーを立位、仰向け、うつ伏せの順に構成しています。活動的な生活習慣をもっていらっしゃる方でもトレーニング効果がある運動を提案したいと思い、クランチやプランク(どちらも腹筋運動の一つ)、腕立て伏せについては、オールアウト(疲労困憊)を目指してやっていただけると嬉しいです。実施者の体力よっては、歌の曲中にはオールアウトに至らないと思います(特に1番の立位の種目)が、負荷が物足りない方は、ご自身の体力に合わせて1種目だけを取り出して回数を重ねたり、錘を抱えたりして負荷を高めることを試してみてください。

 フレイル予防編については、加齢とともに衰えていく筋力やバランス能力、認知機能の向上に焦点を当てた体操です。歌の2番の終わりから3番にかけて構成されている、左右で、または手と足で異なる動きをするという二重課題は、若年者であってもすぐにはできない運動であったりしますので、高齢者以外の方でもぜひ試していただき、課題の難しさを楽しんでいただきたいです。

 座位編については、基本編の動きに概ね対応した座位の動きで構成しています。基本編を立った姿勢で実施することが困難な方を対象としています。基本編は負荷が高すぎると感じる方は、座位でも手と足の両方を動かせるこの座位編を試していただきたいです。