体育の科学 75巻4月号「パフォーマンスにつながる基礎体力要素の適用範囲と限界」
中垣浩平.エナジェティクスからみた持久力と競技パフォーマンス.体育の科学,2025年75巻,p248‐253.
中垣先生のコメント
この寄稿論文では、エネルギーの変換過程に着目し、競技パフォーマンスを捉える方法(私の主要な研究テーマ)を解説しています。代謝パワー(生体内でのアデノシン三リン酸の合成)から競技パフォーマンスに至るまでのエネルギー変換過程は、物理や化学の法則・原理に従います。どれだけ有効性(技術)が優れていても、目標とする競技パフォーマンスに必要な有効パワーや外的パワーを発揮できなければ、目標の達成はできません。また、代謝パワーや外的パワーがどれだけ高くても、有効性が低ければ競技パフォーマンスは制限されます。エネルギーの変換過程から競技パフォーマンスの制限因子を考えることによって、競技力を高めるための課題を見つけることができるでしょう。

引用:上記論文 図1